難民支援NGO"Dream for Children"チベット難民の暮らし

難民支援NGO"Dream for Children"

〜チベットとビルマの難民支援〜

 

チベット難民の暮らし

 毎年、チベット人数千人が自由を求めて亡命していきます。国境にそびえるヒマラヤを徒歩で超える命懸けの旅です。 道中で命を落とす人もいます。凍傷を負う人もいます。また、近年、ネパール国境の警備が厳しくなっており、 亡命を試みて国境付近で逮捕される人も増えています。それでも、チベット本土での迫害から逃れるため、 人々はヒマラヤを越えていきます。

 「亡命したチベット人の90%は、故郷で弾圧を受けるくらいなら、亡命の途中で命を落とす方がましだと考えていると 思います。」

と語ってくれたチベット難民もいます。亡命者の中には、子供も数多くいます。チベット本土では チベットの言語や文化を学ぶことが難しいため、せめて子供だけでもチベットの勉強をさせてあげたいと送り出す親が多いのです。亡命先で出会った子供の中には、 中国語の読み書きはできるが、チベット語の読み書きはできないという人もいます。

 チベット難民の主な亡命先はインド、ネパール、ブータンです。ここでは、最も有名な亡命先インドのダラムサラに 辿り着いた人たちの生活を紹介します。

 まず、難民受け入れセンターで手続きをします。その後、ダラムサラに住む ダライ・ラマ14世と面会します。チベット人のリーダーであるダライ・ラマ14世に会うため、ここに来る人が多いのです。 ダライ・ラマ14世はどれだけ忙しくでもすべての難民と面会をしています。子供の難民の多くはTCV(Tibetan Children's Village) という施設に入ります。当NGOも支援しているこの施設は学校と寮を併せ持つ施設で、数千人の子供たちが共に暮らし、学んでいます。しかし、設備には限りがあり、 全員がこの施設に入れるわけではなく、更なる支援が必要です。

 亡命後、子供たちは家族と会うことはおろか連絡を取ることも非常に難しくなります。それでも、ここの施設の子供たちは厳しい亡命の 道を辿ったとは思えないほど明るく暮らしています。施設のモットー「自分のことよりまず他人」が浸透していて、周りの人を思いやる心でいっぱいなのでしょう。

 また、インドで暮らしていくため、大人でも英語の勉強をしている人が数多くいます。生活のためという理由もありますが、 「私たちの経験を世界の人たちに発信したい」という強い志を持っている人も多いです。現在、大人向けの英語学校が不足していることもあり、当NGOは大人対象の 英語教育にも力を入れています。

 亡命は1959年にダライ・ラマ14世がインドに亡命してから始まっています。今では亡命先で生まれ、故郷を知らない難民も 存在します。亡命先で生まれた子供に「チベットに行ってみたいか?」と聞いたことがあります。答えは、No。「チベットに『帰りたい』。」 彼らは力強く言いました。

 亡命先で頑張って暮らしている難民の人たちに少しでも明るい未来を届けられたらと思います。

 

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